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「ネクロポリス」恩田陸 [読書]

これも図書館の予約待ちがようやく来た本です。
ネクロポリス 上

ネクロポリス 上

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2005/10/13
  • メディア: 単行本
ネクロポリス 下

ネクロポリス 下

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2005/10/13
  • メディア: 単行本

恩田さんらしいミステリーというのかファンタジーというのか。
そういうお話です。

V.ファーという、架空の国が舞台。
位置的には補陀洛との関わりが触れられていたから、日本から見て太平洋の沖合いだろうか。
香港の日本版、みたいな。
日本とイギリス文化が混じった不思議な国。
そのV.ファーにある、アナザー・ヒルで、毎年行われる「ヒガン」。

そこには「お客さん」として死者が訪れる…

でも、今年はいつもと少し違う。
なぜなら、ここ2ヶ月ほどV.ファーを騒がしている血塗れジャック。
そう、切り裂きジャックを髣髴とさせる猟奇殺人事件が連続して起きていたから。
被害者が「お客さん」としてアナザー・ヒルに帰ってきたら、被害者の口から真実が聞ける。
なぜなら「お客さん」は嘘をつかないから。

東京大学の大学院生ジュンイチロウ・イトウは親戚がV.ファーにいるので、今年初めてヒガンに参加するため、アナザー・ヒルを訪れる。
おしゃべり好き・ゴシップ好きな国民性のV.ファーの人たちと共に。
そのジュンイチロウがアナザー・ヒルの入り口である巨大なトリイに差し掛かったとき、トリイには血塗れジャックの仕業と思われる死体がぶら下がっていた…

興味をそそられる設定、話の展開に、わくわくして上巻を読み、残りページを気にしながら更に読んだ下巻…
なぜ、残りページを気にしながら読んだかというと、恩田さんの本が好きな方ならわかってもらえるかと思うのですが、果たしてこの結末は収まりがつくのか、という不安が大きくなっていくからです。

案の定、というか最後は拍子抜けして終わった感じがしましたが。
これだけ広げた謎、主人公の活躍なしで解決って…と、思ってしまったのが正直なところです。
あっさり戻ってくるなら、何のために大げさなふうで家を出て水路を回っていったのさー!
と、思ったり。

ただ、こういう世界観、舞台設定はさすが恩田さんだなぁと思いました。
イギリスの文化に日本の文化が混じったら、こんな感じなのかなぁ、とわくわくしました。


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茅ヶ崎住人R

その不安な感じよく分かります。その時点で「恩田ワールド」に引き込まれているのかもしれませんね。
by 茅ヶ崎住人R (2006-08-26 10:03) 

花

TBさせていただきました。
恩田さんのこういう雰囲気、好きなんです。
でも、盛り上がった内容だっただけに、
ラストには、拍子抜けしましたね。
by (2006-08-27 13:42) 

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